最近の成人式は、伝統を守りつつも時代に合わせた変化が見られます。
主なものをまとめてみました。
1. 成年年齢引き下げ後の成人式
2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、多くの自治体では従来通り20歳を対象に成人式を開催しています。
これは、成人式が単なる法的成人の祝いではなく、地域社会における通過儀礼としての意味合いを強く持っているためです。
また、18歳は高校卒業直後で進学や就職などで多忙な時期であること、準備期間を十分に確保するためなどの理由もあります。
2. 多様な参加スタイルの広がり
- オンライン成人式: 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、オンラインで成人式を行う自治体や、式典の様子をオンラインで配信するケースが増えました。遠方に住んでいる人や、事情があって会場に行けない人も参加しやすくなりました。
- 分散開催: 式典の参加人数を制限するために、午前と午後の2回に分けて開催したり、中学校区ごとなど地域を分けて開催する自治体もあります。
- アットホームな成人式: 大規模な式典ではなく、地域住民との交流を重視した小規模な成人式を行う自治体も出てきています。
3. 振袖の変化
- 古典柄の人気: 伝統的な古典柄の振袖は依然として人気がありますが、レトロモダンな柄や、個性的なデザインの振袖を選ぶ人も増えています。
- 振袖レンタルの多様化: レンタルを利用する人が多く、セットプランも充実しています。着付けやヘアセット、写真撮影などがセットになったプランや、小物のみレンタルできるプランなど、ニーズに合わせた選択が可能です。
- ジェンダーレスな選択: 女性が袴を着用したり、男性が羽織袴以外の服装で参加したりするなど、服装のジェンダーレスな選択も広がっています。
4. 式典の内容の変化
- 著名人のメッセージ: 式典で著名人からのビデオメッセージを上映したり、講演会を行ったりする自治体もあります。
- 地域色豊かな企画: 地元の伝統芸能を披露したり、特産品を配布したりするなど、地域色豊かな企画を取り入れる自治体が増えています。
- SDGsや社会問題への意識: 式典でSDGsに関するメッセージを発信したり、ボランティア活動への参加を呼びかけたりするなど、社会問題への意識を高める取り組みもみられます。
5. 成人式後のイベント
- 同窓会: 成人式後に中学校や高校の同窓会を開催するのが一般的です。恩師との再会や旧友との交流を深める場となっています。
- 地域イベント: 地域によっては、成人式後に地域のお祭りやイベントに参加するなどの催しもあります。
このように、最近の成人式は、伝統的な要素を大切にしながらも、時代の変化や多様なニーズに合わせて変化しています。
参加者にとってより思い出深い、そして社会への参加意識を高める機会となるよう、各自治体で工夫が凝らされているようです。